2020年新作映画ベスト5

2020年は、色んな意味で忘れてしまいたい激動の1年でしたが、映画に関しては違いました。ほとんどの上映作品がほんのわずかの営業期間内でしか見られなかったにもかかわらず、フィクションやノンフィクションの映画作品が次々と公開され、サスペンス、アクション、ホラー、コメディなどを大いに楽しむことができました。パンデミックによって見舞われた現実を乗り切るための元気をもらえた、という視聴者も多かったのではないでしょうか。

これらの作品は、誰もが抱く希望や恐れを表現していたり、現在の異常なパンデミック状況を鋭く表現していたりと、インスピレーションや逃避、息を呑むようなスリルを味わせてくれました。2021年には、映画館が再び営業する日がやって来るのか、それともテレビやノートパソコン、スマホで新作を見る日が続くのか分かりませんが、前者の方に期待したいものです。

いずれにせよ、ここ1年間に公開された名作映画が多数あるように、映画界はこれまでと同様の盛り上がりを見せています。決して簡単な1年ではありませんでしたが、映画制作者らによって素晴らしい作品の数々が制作されてきました。ダイナミックでユニーク、感動を呼ぶ2020年のベストムービー5作品をご紹介します。

鵞鳥湖の夜

ディアオのネオ・ノワールでは、ギャングのチョウ・ザーノン(フー・ゴー)が失敗した犯罪行為で警官を殺害した後、リウ・アイアイ(グイ・ルンメイ)という「浴場の美女」と呼ばれる売春婦と手を組み、別居中の妻ヤン・シュージュン(ワン・チエン) と再会しますが、すべては彼女にかけられた懸賞金を稼ぐためでした。

マーティン・エデン

『マーティン・エデン』は、時代を超えて愛されており、現代の危険を鋭く感じさせる素晴らしい歴史的作品です。1909年に出版されたジャック・ロンドンの小説をピエトロ・マルチェッロ監督が映画化したもので、貴族の愛人に影響された下級水兵のマーティン・エデンが、教育的、精神的、政治的に自分を高める使命を胸に旅をするという内容です。

ミナリ

リー・アイザック・チョンが脚本・監督を務めた『ミナリ』は、登場人物とその苦悩に圧倒的な共感を覚える優しい映画です。1980年代にアーカンソー州の田舎で農場を始め、一旗揚げようとする韓国人の夫/父親、ジェイコブ・イーの姿を描いています。このアメリカンドリームに妻のモニカは恐怖を抱き、娘と息子にも困難をもたらします。さらに彼の息子は、致命的な心臓病を患っている可能性があったのでした…。

コレクティブ

腐敗や犯罪との戦い、そして民主主義のための戦いは続いていますが、それは必ずしも幸せな結果をもたらすものではありません。2015年10月30日にルーマニアのブカレストにあるナイトクラブ「コレクティブ」で発生した火災では、27人が即死し、社会民主党政権は辞任に追い込まれました。。アレクサンダー・ナナウ監督が、この緊迫した批判が飛び交った事件を取り扱い、ドキュメンタリー作品『コレクティブ』を制作。

ポゼッサー

遠い未来の屈折したSFスリラー映画である『ポゼッサー』では、暗殺者タシャ・ヴォス(アンドレア・ライズボロー)が、フェイスハガーのような装置を使って他人の心と体に入り込み、操り人形のように操って殺しを行います。この映画を見ると、デヴィッド・クローネンバーグの脚本家/監督である息子のブランドンがまるで彼の父親のようだと分かります。

クローネンバーグ監督による重苦しく、気の狂うような成功に関する物語は、人間と機械の共生関係の上に成り立っています。